夏の野菜というものは、ナスにしろキュウリにしろ、日々成るものをとっては食い、消費が追いつかなければ畑で腐ってしまうようなものだが、稲刈りを終えた後に育つ秋冬の作物は様子が違う。気温が下がり、日保ちするものが自然と増えることも一つだが、米や大豆、芋など、一時にすべて収穫してしまい、乾燥させて保存するものが増えてくる。

智頭の家には年季の入った土蔵が3つ。一つは味噌蔵で、中に入るとぷんと匂いが漂う。もうひとつに、米や芋を長期保存する用の場所を作り、貯蔵庫としている。

今回の作業では、小豆の収穫、長芋掘り、大豆の収穫及びそれを稲干し台に干す為の下ごしらえなどを行った。
収穫したばかりの作物を、さすがに即土蔵に放置というわけにはいかず、滞在する間、家の居間を締め切って暖房し、少しでも乾燥を促進する。さらにその部屋で、茶師六郎が茶の葉を煎る香ばしい匂いがする。

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外に出ての作業が億劫になる季節が近づくが、大豆で豆腐を作り、山芋のとろろご飯を食い、おやつに小豆のぜんざいやあんこを頬張る。
柿酢を作る合間に、熟柿を口に放り込む。

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冬には冬の、これから旨い智頭の作物がある。冬ごもりの準備が万全なことは、おれやかっすん、はるふぃの体を見てくれれば一目瞭然だ。