あまりに簡単に手づかみで魚がとれてしまい、去年は大きさ制限でそれ以下のものは即リリースという決まりができた生水の川。
今年は川遊びはもちろん、地元に古くから伝わる和綿でできた布を使った染物体験も行った。

生産効率の悪さから輸入原料にとって替わられた綿製品。
しかしこの地の豊かな水の恵みを受けて育つ和綿を見直そうと活動されている「綿’Sクラブ」。

今回体験させてもらったのは、マリーゴールドを使った絞り染め、そして柿渋の染物の2点。

まずは実際に和綿を栽培しているビニルハウス、工場を見学させてもらい、
2日目にマリーゴールド、3日目に柿渋染めを行った。

マリーゴールドは絞り染めで、1枚の布を輪ゴムで縛ったり、割箸で挟んだり。
その部分にだけ染料が染みず、模様ができる。
輪ゴムや割箸を解いてみるまでその出来栄えがわからないところがおもしろい。

そして柿渋染め。
夏の盛りの青い渋柿の実を絞り、その果汁を長い間自然発酵させた染料を絵の具のようにして、布に絵や文字を描いていく。絞り染めとは逆に、こちらは出来上がりを確認しながら、筆や歯ブラシを使い分けて、思い思いに描いていく。

作業の合間には、綿花を糸にするための、江戸時代から伝わる道具を実際に動かしてみる。
子ども達はこれが痛くお気に召したようだ。

種から綿をはずす、「キン肉マンのサンシャインの胸についてるやつみたいなローラー」(わからない人はキン肉マンを読んでみよう)、
縮まった綿をふわふわの状態にする弓、
そして糸を紡ぐ糸車。

幼い頃読んだグリム童話の「いばら姫」で、女王が糸巻き車の「つむ」に刺されて眠りに落ちるのだが、
その現物と、「糸を紡ぐ」という作業をこの年で初めて目にしたような気がする。

子どもの手にふんわりと握られた綿、糸車をカラカラと回すと、それがするすると伸びて1本の糸になる。

その様子一つでも、「一見の価値あり」ってやつだ。