先月の例会報告で、
「1年のやつら今は名前わからずにちゃんとリーダーだの先生だの呼んでるが、まぁどうせ3ヶ月もすれば」
と書いたが、
今月2回目の参加の子どもはすでにちゃんと「たかし~!!」と呼んでくる。
こいつら、なかなかやる。
3月は毎年恒例の「遊び大会」。午前中はいつものように学年ごとに散策、午後から全学年集まって取っ組み合う。
今月は、おれが小学生のときに高校生リーダーやってた目連(めれん)リーダーが自分の子どもを連れてきて、その上久しぶりにリーダーとして例会に参加してくれた。
事務所にて、
「久しぶりに目連が来るねんけど、知ってるリーダーおる?」
「あ~おれ知ってる!!四万十連れて行ってもらった!!」
「じゃぁ当日君の班ね」
というなんとも安易なやりとりでおれと同じ1年班に決まった目連。
当日会ってみると案の定おれのことなんかこれっぽっちも覚えていない。初対面同様。おれはなんとか親しくなるきっかけをつかもうと悩みに悩んだ。
駅から光明池の砂防へ。池沿いにぐるっと続く遊歩道を歩きながら、池に降りられるポイントを探す。降りた先の湿地には大量のオナモミ畑。
「くっつき虫」と言われる、獣の毛や人の服に付いてその範囲を広げる種の一種で、このオナモミはマジックテープの発明のヒントになっている。
おれは目連と仲良くなるのはここだとばかり、子どもを焚き付けた。
「目連を狙え!目連の頭にオナモミをつけろ!!」
正直ほんとに反省しているのだが、オナモミを髪の毛に押し込んだらあんなにとれないものだとは。
「これは丸刈りにせんとあかんかも・・・」。
無事に全部とれて本当によかった。
やりすぎはだめだよ子ども達。
ぼくは多分悪くない。最初にちょっと焚き付けただけだ。
さて、午後からは全学年が同じグランドに集まって遊び大会。
まずはそれぞれの学年での遊び。
1年生はリーダーじゃんけんと、6むしをした。
その後、全学年が集まり、
じゃんけん列車、ペア探し、そして恒例の、怪我人御免、人間狩りである。
昨今、例えば公園の遊具で子どもが大怪我をし、その遊具が撤去された、などというニュースを目にする。
もしおれがその子の父親ならば、あるいはそうさせるかもしれない。
またその子に兄弟姉妹がいれば、そこで遊ばないように言うかもしれない。
当事者でない限り、大きなことは言えないが、ただ、今のおれは毎年この3月の遊び大会でSケンや人間狩りをするたびに、「怪我のリスクを負わないと味わえない面白い遊びがある」ということを思う。
毎月の例会がそうだ。
怪我を100%防ぎたいのなら、最初から山に入らないことだ。だけど、入ってみないと出会えないおもしろいものがあるから行くのだ。
「人間狩り」のルールを説明する。
2チームに別れる。
相手をつかみ、引きずり、かつぐ、などして、自分の陣地に全員を引きずり込んだ方が勝ち。
すり傷など日常の遊びだ。
おれがまだ高校生の頃、リーダー対子どもで完膚なきまでに大勝した瞬間、1人の女の子が叫んだ。
「体格差があるから、リーダーが私たちをかつぐのは不公平だ。かつぐのを禁止にしろ。引きずるだけにしろ」
怪我のリスク8割増しなのだが、とにかく男前過ぎる。
ちなみにそれでもリーダーチームの圧勝でその子はご機嫌斜めで帰っていったが。
OSKのリーダーは事故を防ぐために経験を積み、
救命講習などの研修を受け、
それぞれの準備をしている。
万全と言えないかも知れないが、子どもを無事に楽しませるために細心の注意を払っている。
その上で、あえて危険の中に入ってみないとわからない諸々の遊びを、それでも事故の起こらないように注意しながら、
とにかく経験をさせてみる。