下見で見つけておいたキクラゲをどう料理しようかとこの2週間あれこれと相談し、いざキクラゲのポイントに行ってみると、お目当てのものはなくなっていた。
四条畷神社の上、それこそ見渡す限りのキクラゲが、雨の降らない2週間後には干からびて、ほとんどは木から落ち、残ったものもパリパリになっている。

諦めきれずに乾いたキクラゲを集めるものの、これを今回のメインイベントと目していたリーダーの間に、
「さてこれからどうしようか」
という気持ちがあったことは確かである。

ダメ元で水を張った鍋に漬け込んだキクラゲは、しかし、予想外に瑞々しく膨らみ、もとの生きた食材に戻った。干からびたキノコが3倍にも膨れたときにはさすがに驚いた。

これまでより少し長めのコースを歩き、弁当を使った後は道無き谷を下りた。途上、十分に戻ったキクラゲを料理する。
基本の炒め物、卵とじ、オムレツ風。
どれもたっぷりのキクラゲ。贅沢な料理である。
2年生の子ども達が、今食べているものが中華料理に欠かせないあの食材だということを分かっているかどうか、あやしい。なにせあの大きさ、形、新鮮さ、量である。
2年生の保護者の方、機会があればぜひ、八宝菜にでも入っているものを見せ、「飯盛山で食ったのはこれだ」と教えてやってほしい。

谷を下りて帰るうち、大きな砂防にぶち当たり、迂回した。
今日、事務所で子どもから届いた作文を読むと、
「たかしが道を間違えた」などと書いてあり、おもしろい。

おれとしてはまったく計算の内、というよりむしろ、昼前の時点ですでにコースが気まぐれだった(当然道は知っている)ということもあり、
そうか、あの行き止まりは彼らにはなかなかのアクシデントだったのか、ということを思い知ることができて新鮮な思いがする。

新年度から3ヶ月。お試しを含んでもプラス1、2ヶ月、半年にも満たない冒険歴の2年生。
まだまだこれからいくらでも鍛えようがあるなと、今更ながらわくわくさせられてしょうがない。