南海本線を多奈川線に乗り換えてからは、車窓に海が開ける。
この日は天気も良く、砂浜ではマリンスポーツに興じる人が見受けられたが、我々が向かうのは自然の海岸の残る、岩場だけの海。
人の手の入っていない海岸は、大阪湾ではここだけで、その他はほとんどが埋め立てられている。
多奈川駅から海に至る、自然教室の活動範囲には一部の小さな丘陵地帯を除き、民家を縫って歩く平坦な道で木陰も少ない。毎年海に着くまでにたっぷりと日差しを浴び、体力の消耗も激しい。
多奈川と言えば毎年ヤマモモの出来が気になるところだが、今年はたいした収穫にはならなかった。はずれの年だったのか、時期が遅かったのか。
海岸に出、岩場のタイドプールに群がるカメノテを取る。
一方で、子どもに本物の自然を体験してもらうため、素潜りで採ったウニ。普段は寿司屋で身を取られたものしか見ないだろう。黄色くて甘い身の他に、天然のウニを割ると内臓や、食べたばかりの海草のようなものが混じっているときもある。1つから採れる身はほんの少しだが、なかなか貴重な経験ができたことと思う。
さらに海岸ではかっすんを隊長に、天然のテングサから作る寒天ゼリー。
しかし鍋を吹きこぼしてしまったため、うまく固まらずに失敗してしまった。残念。
今回は加えて、おなじみ智久がトコブシを発見した。
アワビを一回り小さくしたような一枚貝で、これは子どもが大量に食すとなんだかたぶんあまり体に良くないような感じな気がするはずなので、大半をリーダーがおいしく頂きました。
六郎、かなこ率いる6年班は、あえて海に行かずに多奈川の探検や、生き物などの分布から川と海の境界を調べたりと、なかなかおもしろそうな1日だったようだ。
駅と海の往復になりがちなこの例会、機会があればおれも試してみたいものだ。