11月の頭に久しぶりに熱田に登り、冬に備えて屋根下ろしを行ってきた。作業が終わってから甲斐くんの指導のもと、川釣りをしたのだが、素人のおれに釣りの楽しさを味あわせて釣りに対する理解者を増やし、今後の楽しい釣りライフをエンジョイしようと目論む甲斐くんに手取り足取りいいとこ取りをさせてもらい、大変楽しい思いをした。俗に大名釣りと言うらしい。

さて、大名釣りに味をしめすっかり釣り好きになったおれは今回智頭でも大物を釣り上げた。土地の名で「もつ」という魚だそうだ。ビギナーズラック恐るべし。気温も低くなり、魚たちも冬眠に入るのでこれが今年最後のチャンスだったかもしれない。

そういえば寒くなった。智頭の家から畑に向かういつもの途上、山を見るとイチョウも散り始めている。

作物が畑を彩っていた季節、夜盗虫という蛾の幼虫が菜っ葉を食い荒らし難儀したものだが、この虫が意外に魚の食いつきがいいことがわかった。来年からは有効に活用しよう。

この時期収穫したものはサツマイモ、ヤーコン、ネギ、大根、小豆など。教科書に書いてあるように何月に撒いて何月に採れるということだけではなく、その種ごとに成長の早い遅いがありすべての収穫作業が1日作業では収まらない。また来年の為に畑に鍬を入れると思いもかけず収穫もれが出てきたりする。来年に向けた作業は既に始まっており、百姓に休みはない。

今回は壇原さん始め地元の方の協力を得て、ケヤキやヒノキなどの大木を切り倒してその一部を頂いたり、ナメタケの菌床を用意してもらったりと、なかなか充実した経験をさせてもらった。智頭という、田舎でしかできない体験を、地元の人と共に楽しむことができるというのは換えがたいことである。

農業、という部分から主な繋がりを作っている我々だが、次回の智頭行きは冬の特別教室。自然の中で子ども達を遊ばせてナンボの本来の企画である。
ただ、その中で智頭に参加した子ども達にも、ここがリーダーが育てている田んぼだとか、この畑を耕すのがえらく大変だったとか、そういったことも感じてもらえたら。
またその活動は地元のおっちゃんおばちゃんの協力が大きな力になっていることを少しでも知ってもらえたら、リーダーとしても来年からのやる気に繋がるというもんだ。

月イチ以上の頻度で智頭に帰り、畑と田んぼの作業をする。
その際、おれは壇原さんに「また来ました!」と挨拶をするのだが、かつての熱田、美方のように、「ただいま」と言える日もそう遠くないのかもしれない。