大阪にあっても雪の舞う日もあり、寒さ最も厳しい折だが、既に節気は大寒を過ぎ、そろそろ事務所でも春の準備が始まろうとしている。
春の特別教室といえば、おなじみ智頭と、概ね高学年に向けた「ぶらり旅」が定番だ。
拠点となる野原(のばら)の家に留まってその地の自然と生活を楽しむ智頭の企画と違い、ぶらり旅ではどこへ行くか、というところからすべてリーダーの自発的な計画によって作り上げていく。その際に必須のアイテムが「時刻表」である。
まだ夜は寒い春休みの旅の予定であり、定番はやはり温暖な瀬戸内以西。これから今年のぶらり担当のリーダーは、時刻表片手に心引かれる町や島の情報を仕入れる毎日が始まることと思う。子どもの命を預かっての企画であり、旅慣れた大人の旅行のようにすべて気ままに、という訳には行かないが、どこへ行こうか、どうやって行こうかと想いを巡らせる時は楽しいものである。
今回、旅のバイブルたる時刻表の、ほんの基礎的な読み方を数回に分けて解説する。
登山愛好者は自宅で地形図を見るだけで想像の登山を楽しむと言い、鉄オタに時刻表与えればおかずはいらぬ、と。
今は何かと物騒な世の中であり、殊更に一人旅を勧めるようなことはしないが、少しの金と環境が許す機会があれば、桜散る異郷、時刻表片手に啜る駅そば、なんてたまらないじゃないか。