小2からというこれまでの枠を拡げ、今年から限定的ながら小1の募集を開始した。ついこの間まで未就学児だった子どもを自然教室の活動に参加させるにあたり、毎週木曜の事務所会議では小1の対応について様々に手探りしたものだ。

どれくらいの体力か?

トイレはどうする?

作文はかけるのか?

親の手を離れてお泊りができるのか?

最も不安を感じていたのはやはり特別教室だ。親と離れての宿泊経験がない子も多いだろう。しかし同時に、自然教室の醍醐味は親の目を離れた空間、特別教室である。非日常の自然空間にどっぷりと浸らせてこそのOSKだ。

記念すべき初の小1対象特別教室の舞台には「生水の郷」を選んだ。現地への移動距離が短く、一つ所に宿泊し、また遊び場である川は家のすぐ目の前という難易度の低さ。反面、川遊びの面白さには独特の魅力がある。

琵琶湖大橋以北の湖を靴の形に例えるなら、その足首にあたる部分に、今回の特別教室の舞台である「生水の郷」こと、針江地区はある。JR湖西線、「新旭駅」から徒歩30分程度といったところ。

この郷の最大の魅力は、何と言ってもその水、そして川である。

針江の中心を流れ、琵琶湖に注ぐ針江大川、特に我々が遊び場にしている「針江老人憩いの家」付近は、川の両岸に段違いにブロックが埋められており、これが魚たちの格好の隠れ場となる。膝下程度のごく浅い川を、まずは皆でバシャバシャと追い立て、川面を泳ぐ魚が慌てて逃げ込んだところで、ブロックの隙間に両手を差し入れる。

今回は到着してすぐ雨に降られ、普段より流れがきついこともあって手掴みの成果も芳しくなかった。といってもこの簡単さ。ひどいときには、かつて唐揚げの作業だけで西村氏を熱中症手前に追い込んだ信頼感である。ここより簡単に魚が手掴みできる場所をおれは知らない。

今回の圧巻はこの大ナマズ。

針江では琵琶湖に注ぐ大川の環境を守る為に、定期的にはびこった水草などを住民総出で刈り取る作業が行われている。

今回は参加した会員の学年も小さく、作業をお手伝いするには至らなかったが、その後の夕食会に参加させて頂き、固有種である「ビワマス」のちゃんちゃん焼きをごちそうになった。ビワマス代は後半の高学年向け生水のメンバーの働きに任せることにする。

この夕食会に、福島からの子ども達の姿もあった。単純な観光旅行などではもちろんない。
震災に関する報道は日に日に影を潜めていくが、ここに彼らがいるということが、すべてが終わっていない何よりの証拠だろう。
智頭でも個人的に福島の子を招いた家があるそうだ。
針江にしろ智頭にしろ、子どもにぜひ触れてほしい自然の残る素晴らしい里だが、
故郷あってこその体験だろう。
彼らのふるさとが、元の姿に戻る日を祈らずにはいられない。

重い話になったので最後はばかばかしい話で締める。

下の写真、針江でお世話になっているおじさんに、昨日捕まえた大ナマズの話をするおれと鈴木っち。

写真下でコニーと子ども達が覗き込んでいるバケツに、2つ前の写真の姿勢で収まっているナマズということで実際の大きさは想像してもらえることと思う。他の魚が指の長さくらいだから、それに比せば確かにものすごく大きい。しかし2人とも自分の肩幅を超えるかのようなこのジェスチャーはさすがにやり過ぎだと思う。
「いやほんまスゴかったんすよ」
「これくらいあったんすよまじで」
そんな声が聞こえてきそうで、我がことながらこっ恥ずかしい。