寒い、寒すぎる!いったい今月は何月の例会なんだ?断続的に降り続く雨、おまけに風、目も開けていられないぐらいだ。晴れていれば眠たくなるほどのどかだったであろう田舎のあぜ道。我々は寒さにふるえながら進んで行った…。

というわけで4月例会の報告。今月は6・中の担当でお送りします。
学年担当リーダーも一新された4月の例会。週間予報では日曜は雨、去年の4月例会も雨だったので不安な気持ちになったのだが、前日の夜の時点で曇りに変わりホッと一安心。もっともちっとも安心でなかったのだが。
去年の9月例会は台風が来て中止になってしまったので、自然教室の子どもたちが武庫川をおとずれるのは1年半ぶり(リーダーは下見に来ているので久しぶりな感じがしないが)である。
宝塚駅から電車に乗って移動。三田の町をすぎ、目的地の相野駅に到着。ここまでくればまわりはのどかな田園風景だ。

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駅からさっそく歩きはじめる。今日はなにせ11kmも歩くことになっているのだ。mileで言うと7mileである。最終目的地は一駅先の藍本駅なのだが、今回は武庫川沿いを歩くので、そうとう遠回りだ。
このあたりでは武庫川は鉄道路線と逆方向の東側に屈曲しており、屈曲部の内側は人跡未踏の山脈がひろがっている(かつて数々のリーダーが踏破をこころみ、そのいずれもが解散時間に大幅に遅れるという悲惨な最期を遂げたいわくつきの場所だ)。まん中をこえることはできないので、歩きはじめたら最後、進む以外に道はない。
歩きはじめ、のっけからやや強めの霧雨に打たれるが、これは天気予報の範疇内。遠くの空には晴れ間も見えるし、いずれやむであろうと、この時はかるく考えていた。
しばし進んで後、沿道の桜の木から葉っぱを確保。これは塩とともに袋につめ、後々おやつに使おう。

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そして歩く、歩く、歩く…。っていうか雨がうっとうしくなってきたぞ。やんだかと思うとまた降って、そうかと思えばすぐやんでのくりかえし。濡れ具合がガマンの限度を超えそうなので、雨具を出す。山の中なら使えないアイテム「傘」も今回は役に立つはずだ。
「残念!大風で傘に大ダメージ!!」武庫川沿いの田園が広がる谷間は風の通り道だったらしく、ちょっとシャレにならんくらいの風が吹いてきた。ただでさえ気温が低く、そこに降り続く雨、そしてこの大風。体感気温的にはもはや冬である。しかし装備は春の例会。ヤバイ、これはヤバイ。とにかくどこかに避難しよう。
折良く時間も昼メシ時、地図上で見つけた神社に待避することにした。幸いなことにこの神社には大きな屋根着きの能舞台のような建物があり、なんとか濡れずに弁当を広げられそうだ。…まあ、雨もやんだんだがな。

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予想されたことであったが、屋根の下にいる間は雨も風もピタリとやみ、いったい何のために神社に来たのかと思うような状態で、これもまた予想されたことだが、昼メシも終わり、荷物をまとめて歩きはじめた瞬間からまたしても大嵐である。
本来ならここで歩きながら野草を集めて、それでチヂミを…。過酷すぎて野草を採ってる場合ではないのだ。いちおうノビルだけはちょっと集めたが、それ以上立ち止まってなにかをする気にもなれない。とにかくこの風の通り道はぬけねば。

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田園の終点、獣よけの柵をこえると山がぐっと武庫川に近づき、谷間が狭くなったせいかさすがに風も弱まってきた。周囲も林になったので雨もだいぶましだ。野草を見つける心の余裕もでてきたぞ。さすがに道はあぜ道よりも歩きにくくはなったが、自然教室的には普通の道だ。
しかし、風雨を逃れてホッとしたのもつかの間、新たな試練がまたしても我々を襲う。目の前には笹のやぶ。「となりの某」に出てきそうなトンネル状になったやぶだ。晴れていても抜けるのに難儀しそうな障害物、おまけに今日はしこたま雨がふっている…。ガソリンスタンドにある洗車機を想像してもらいたい。たっぷりと水をふくんだ笹がブラシよろしく通りぬける我々をなでてくれるのだ。むろん傘など何の役にもたたない。カッパを着こんでいてもありえない角度から水が浸入してくる。あっ、という間に上から下までぬれネズミ。口のでかい怪物に出会うこともなく、やっとのことでやぶをぬけることができた時には「この寒いのに泳いだのか?」と思われるほどずぶぬれだった。

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そんなこんなで本日の悪路行程は終了。わずか、1kmあまりを進むのにえらく時間がかかってしまった。ここから先は藍本駅まで普通の農道である。
とはいえけっこういい時間になってしまったので、急ぎめで進まねばならない。午前中の内にとった葉っぱで桜もちを作る時間が必要なのだ。宝塚駅に戻ってからでも作れないことはないが、それだと他の学年にも分けてやらねばならないではないか。
ここまですでに8kmほど歩いてきてさすがに疲れ気味ではあるが、それでもおやつのためにピッチをあげて歩く。いつの間にやら雨もすっかり上がり、風もこころなしか弱まったので今までよりは歩きやすい。

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そうこうするうちに藍本駅に到着。長かった、そしてきつかった。晴れていればここまでしんどくはなかっただろう。11km歩きとおした達成感はあるが、天候のせいでよけいに苦労した感がありありとするな。
さて、時間はたっぷりあるのでおやつ作りだ。米粉をこねて、ダンゴにし…水を入れすぎたな?リーダーのコニーが、もう一度書いておこう「コニーが」水を入れすぎたのだ。やむを得ず、チヂミをするために持ってきていた小麦粉を入れてごまかす。できあがりについては責任はとらんぞ!と思ったがゆでてみたら意外といけた。若干ゆるいがダンゴになってる。さっそく桜の葉でくるんで食べると悪くない味だった。というかけっこういけるな、これ。本当はあんこを入れたり、ゆでるんじゃなく蒸したりするともっといい感じなんだが、野外ではまあこんなもんだろう。

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桜もちに舌つづみをうってるあいだに、駅のホームからアナウンスが…、これは…やばくないか?すっかり帰りの電車のことを失念していたぞ。とにかく撤収!ナベを片づけ、火器を回収、あまった団子は口の中に収容だ。リュックを閉める間もなく、駅のホームにダッシュ!こうして、あわただしく新年度一回目の例会は終了したのであった。

おまけ:桜もちの作り方
材料
・桜の葉  食べたいだけ
・塩    桜の葉の1/3ぐらい
・袋    ジップロックが便利

・米粉   食べたいだけ
・砂糖   米粉の1/4ぐらい(あんこがあれば不要)
・(あんこ)米粉と同じぐらい
・水    米粉がダンゴになるぐらい。

作り方
1、桜の葉を集めてきて袋に塩と一緒につめる。
2、袋をしばらくもんで葉っぱをやわらかく、塩が全体にいきわたるようにする。
3、上から圧力がかかるようにして半日放置。
4、米粉に水を「入れすぎないように」入れ、ダンゴにする。砂糖を入れる場合はここで入れておく。
5、ダンゴをふっとうしたお湯に入れゆでる。浮かんできたら完成なのですくいあげよう。
6、ダンゴをゆでている間に桜の葉の塩を洗い落として広げておく。
7、ゆであがったダンゴに桜の葉(とあればあんこ)を巻いて食べる。
※桜の葉はにおいのためだけなので食べてはいけません。吐き出しましょう。苦いぞ。

補足:桜の葉の成分は毒なので葉っぱは本当に食べてはいけないそうです。売っている桜もちも葉っぱは外して食べましょう。