悲惨な天候だった10月とは打って変わって、実にすばらしい秋晴れである。といったところで、紅葉、色付く11月は箕面例会、6年・中学班の報告でございます。
のっけから箕面駅前はすごい人出だ。「葉っぱぐらい、家の近所で見とけ!」と思うのは私が京都人のせいなのか、今年の紅葉は実に腹立たしいぐらいに染まっている。世間一般の人出とは裏腹に、史上初の土曜日例会のせいか自然教室の参加者はちょっと少な目。まぁ、ちょっとぐらい少ない方が動きやすくていいんだが。しかしながら、今日の例会、6・中では今年度で一番歩かない企画である。なにせ2年生よりも歩かないのだ。

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なにはともあれ出発。まずは道すがらシイの実を拾い集める。今年はシイの実の当たり年だ。サルにとられたあとがたくさんあったが、それでも一人当たり十分な量を集められた。ほどほどにシイの実を集めたら、早々に出発。今日のメインイベントに比べたらシイの実など「刺身のツマ」ほどにしかならないのだ。
歩いて行くと谷間が何やらすごい人で埋め尽くされているではないか。せっかく駅前の喧騒をぬけ出したのに何でこんな所で行列を作らねばならんのか!?幸い道をゆずってもらったので長い行列を一気に追い抜いてしまおう。

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長い隊列を追い抜き、さらに山道を意図的に踏み外し、某カヨ落ち谷に向かう。さすがにここには人はいない。混雑とも喧騒ともおさらばだ。
カヨ落ち谷ではいよいよ本日のメインイベントにとりかかろう。

何をするか?

ハンモックを作るのだ。ツル植物で。

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見たことがある人もいるかもしれないが、以前にもここにハンモックはあった。5年ぐらい前の不自由教室でツルハンモックを作ったのだ。ちなみに上の写真は当時のもの。某小っさいリーダーが無謀にもこれからここで夜を明かそうとしているシーンだ。ブルーシートの固まりにしか見えないが、下にハンモックがあるのがおわかりいただけるであろう。しかし、長い年月が過ぎ、旧ハンモックは今や跡形もなくなっている。今回はその再建というわけだ。ちなみに5年前はリーダー2人がかりでまる1日半もかかった。今回は例会の半日、しかし人数は10人がかりだ。

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ハンモック作りの作業は簡単。ツルを谷中から引っぺがし、それを木に巻きつけるだけだ。ただ、ツルは生きている植物である。木に巻きついたツルはそうとう強固に巻きついているので細くても引きちぎるのは大変だ。おまけに、水分を吸いまくっているのでロープの比ではないぐらい重いのだ。人が寝られるくらいのハンモックを作ろうと思うと、そこそこの強度のある太いツルが必要になってくる。作業は単純でも、体力はそうとう使うのだ。低学年には無理な作業である。

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我々が重労働にあえいでいると、なにやら人の集団が…。こんな道もない山奥に人が?折角人ごみを抜け出したのに?と思ったら自然教室の3年生班でした。つごうが良いのでツルを引っぺがすのを手伝ってもらおう。とりあえずこの、中学生3人がかりで切れなかったツルをみんなで引きちぎるのだ。小っちゃい生き物を総動員して引っぱって。ようやく切ることができた。ありがとう3年生!

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ちなみに、もっと太いツルを切ろうとしたが、リーダー5人、中学生3人で全体重(ざっと計算したら400kgぐらいだ)をかけたのにもかかわらず、びくともしなかった。仕方がないのでこのツルはハンモックにそのまま編み込んで、支えの一部としよう。

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昼食をはさんで作業再開。昼からはいよいよハンモックを編むのだ。まずは長いツタを2本の木の間にわたして足場作り。巻いて、巻いて、巻いて…何と地味な作業だ!書くことが何もないぞ。手元では地味に調整したり、ツルを編み込んだりしなければいけないのだが、本当に地味だ。

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手持ちの長いツルを全部巻きつけたら、今度は横に細いツタを網目状にとおしていく。縦にじゅうぶんツルをわたしておいたのでそろそろ上にのぼって作業できるようになってきたぞ。

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このへんで午前中とったシイの実を炒ってちょっと休憩。シイの実は完全にでんぷんの固まりの味だ。噛むと唾液で分解されて甘くなってくる。この原始的な美味しさは稲作を始める前の味だ。

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5000年前の自分の記憶を呼び戻したところで再び作業へ。とってきたツルも残り少なくなってきたし、ハンモックの形もほとんどできてきた。残り少ないと言えば時間もだ。ず~っと作業に没頭していて気づかなかったが、時刻は1415。秋になり解散時間が1600に早められいる。それに間に合うには1500には山を下りはじめないといけない。残りのツルをあわただしく巻きつけて何とか完成させるのだ。

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最後はあわただしかったが、ハンモックはなかなかほれぼれする出来である。足かけ4時間半にわたった作業の結果としては非常に満足いくものだ。ためしに乗ってみよう。1人、2人、3人…なんと6・中班総員10名が乗れてしまったではないか!総重量はざっと計算して480kg!ちょっと自慢できるぐらいの耐久性だ。十分、1泊ぐらいできる…、しないけどな。

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さてここで、6年生と中学生のみなさんに残念なお知らせです。残り時間がありません。時刻は1500。ハンモックでダラダラ、ユラユラする時間はない。こんだけ労力をかけていったい何のために作ったのか?後ろ髪をおおいに引かれつつカヨ落ち谷を後にする一行。

ハンモックでゆられるのは次回、2月の例会までおあずけになるのでありました。