孫を幼稚園に送って行く道ばたの花壇?お気に入りです。駅に向かう人がい頻繁に行き交う路地裏の一角にあり、写真は7月はじめにとったものです。
4月、真っ先に出てくるのはオレンジ色のケシ科のナガミヒナゲシ、1年草です。非常に繁殖力が強く、都会の道ばたで見かけるやっかいな雑草ですが、この花壇?全面に広がって咲いています。

5月中頃になるとナガミヒナゲシは近所ではまだ咲いているのに、ここではその痕跡すら感じられないほど、花壇?には緑の濃い草がびっしり生長してきます。6月に入ると、家の右はしからに左に向かったところの方が生長が早く、白い花が次々と咲いてきます。オカトラノオの小さな群落です。これは野山に咲く地下茎の多年草で、駅近かの市街地のど真ん中によく咲いているな、と毎年感心して見とれています。

右側の方の緑の成長が遅いなと思っているうちにどんどん伸びてきて、7月に入る頃から、濃淡様々なピンク色の花が咲き始めます。おなじみのオシロイバナで、地下茎系の多年草す。オシロイバナは右に向かってどんどん勢いが増していく、オカトラノオの白い花は咲き終わる、そんなときの写真です。
オシロイバナが隆盛を誇る左のところで、クロコスミアのオレンジの花がしっかりと一角を占拠しています。これは球根系の多年草です。

これから当分の間はオシロイバナが全盛を迎えて咲き誇ります。季節が変わるごとに、それを感じながら見ている、幅50センチ、長さ8メートルほどの不思議な花壇になぜなったのか。
それはこの家が空き家であるからです。下手をすると戦前からあるような古い家で、20年ほど住んでいなさそうで、放置されたままなのです。
家の外形はこれまでなんとか保っていたものの、この度の大阪北部地震で壁はいたるところにヒビが入り、一部は崩れ落ちています。また、屋根瓦も少しずつ数カ所で滑落しています。

大阪北部地震では倒壊は少なかったものの屋根瓦が崩れた家がたくさんあり、ブルーシートに覆われています。屋根の直しを頼んでもなかなか来てもらえない、という声もよく聞かれます。
先週は連日大雨が降ったので、ブル-シートのお宅は大変だったと思います。

しかし、この空き家にはブルーシートが掛けられていません。長年、人が住んでいない空き家ですから当然といえば当然ですが。問題は、このようにブルーシートも掛けられず雨ざらしになったまま空き家、まだ市内をアチコチ調べて回る余裕がないのですが、近所だけでも4軒ほど見られることです。

過疎地の中山間地域や離島などでの空き家も深刻ですが、都市部でも倒壊の恐れがあり危険だからと、行政が代執行で取り壊して持ち主に費用を請求したというニュースが時々流れてきます。
この家のようにこれまでは外形をとどめていたものの、今回の地震で壊れた屋根や壁から雨が流れ込み、一気にあばら家化の道をたどる空き家が増え、新たな都市問題となりそうです。